スローターハウス5(続・死ぬまでにこれは観ろ!)

公開日:2015

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話題の作品アクション。ここがボクたちの、新しい世界 如上述べ来たれる理由により、この事件を考察する時は、呉一郎の当夜の発作は、第一回と、第二回の覚醒の間において行われたるものと推定するを得べく、被害者の絶命時間が、二時三時の間とすれば、呉一郎は第二次の就寝後三十分ないし一時間の後に、かかる夢中遊行状態の起り得べき、最深度の熟睡に陥りたるものなることを察し得べし。しかして、第二回の払暁時の覚醒は、平生の覚醒時における習慣的の潜在意識の発露と見るを得べく、その後の睡眠において、呉一郎は初めて夢中遊行の余波、もしくは夢中遊行の嚥下物によって刺激せられたる悪夢より離脱し、真の熟睡、休養に入りたることを、その発汗現象によりても察知するを得べし。 老人は老人のように、小児は小児のように、男は男のように、女は女のようにと言ってみれば何でもない事ではあるが、そうしたあらゆる種類の患者の病状を一々親切に聞いて遣って、院長たる私を信頼させて、安心して診察、手術を受けさせて、気楽に入院させて、時としてはその家庭の内情までも聞いて遣って、同情し、励まし、慰めつつ、無事に退院させて遣るその手際と言ったら到底、吾々凡俗の及ぶところではない。神経質な、根性のヒネクレタ老人や、ヤンチャな過敏な子供までも、モウ一から十まで姫草さん姫草さんと持ち切りで、ほかの二名の看護婦はあれどもなきが如き状態であった。アタジケない話ではあるが、患者が退院する時なぞは、院長の私のところへ謝礼をするよりも先ず姫草さんにという傾向になってしまったもので、子供なんぞは泣いて帰らないという。ヒメちゃんと一緒に病院にいるんだと言って聞かない。そのほかの患者でも、退院して後に彼女宛に寄越す礼状の長いこと長いこと。受付兼会計係をしている姉がと呆れるくらいであった。