日活100周年邦画クラシック GREAT20 あゝひめゆりの塔 HDリマスター版

公開日:2011

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バースト超大作アクション。俺の獲物に手を出すな! あア。頭たたいてお詫びをしまする。そもやそもそも一体全体。こんなスカラカ、チャカポコ頭が。身のほど知らない木魚をたたいて。頼み手もない金にもならない。要らぬ赤恥、天日にさらげる。ことの起りはキチガイ地獄じゃ。文明社会の裏面に拡がる。無茶と野蛮の底抜け地獄じゃ。筆も言葉も木魚もおよばぬ。むごさ、せつなさ、悲しさ、辛さを。底の底まで見て来たお陰で。こちらの頭が少々変テコ。これをこのまま棄ててはおけぬと。思い込んだが因果のはじまり。これを助ける方法手段を。あれよこれよと思案のあげくが。精神病者を無料で預る。デカイ病院建てるが第一。それを建てるにゃ皆様方の。世論のお力借りねばならぬ。または一厘一銭たりとも。無駄に使わぬ思案の果だよ。思い付いたる乞食の姿が。お眼に障ったお詫びの印じゃ。今のキチガイ地獄の歌をば。印を書いて。ぽんとポストにお願いしまする。願うところはこの世の中に。こんな事実がありますことを。向う三軒両お隣りや。どなたこなたの噂の種に。語り伝えて下さりませよ。すれば今言うキチガイ地獄じゃ。人類文化の裏面の秘密が。否が応でも世間へ広まる。悪いことする精神病院。キチガイ地獄を片端なぐりに。タタキ潰せと世論が高まるチャカポコ、チャカポコ。 老人は老人のように、小児は小児のように、男は男のように、女は女のようにと言ってみれば何でもない事ではあるが、そうしたあらゆる種類の患者の病状を一々親切に聞いて遣って、院長たる私を信頼させて、安心して診察、手術を受けさせて、気楽に入院させて、時としてはその家庭の内情までも聞いて遣って、同情し、励まし、慰めつつ、無事に退院させて遣るその手際と言ったら到底、吾々凡俗の及ぶところではない。神経質な、根性のヒネクレタ老人や、ヤンチャな過敏な子供までも、モウ一から十まで姫草さん姫草さんと持ち切りで、ほかの二名の看護婦はあれどもなきが如き状態であった。アタジケない話ではあるが、患者が退院する時なぞは、院長の私のところへ謝礼をするよりも先ず姫草さんにという傾向になってしまったもので、子供なんぞは泣いて帰らないという。ヒメちゃんと一緒に病院にいるんだと言って聞かない。そのほかの患者でも、退院して後に彼女宛に寄越す礼状の長いこと長いこと。受付兼会計係をしている姉がと呆れるくらいであった。