群衆

公開日:2007

line

動画リンク一覧

Another Download【中古】

話題の小説サイエンスフィクション。ゲームでしか味わえない感動がある 言うまでもなく、これは脳出血から来た故障だから、病理解剖をして頭の蓋を取ってみればすぐにわかる。という事実が一目瞭然する訳であるが、しかし、実を言うとコンナ風に、肉眼で見える脳髄の故障というものはドチラかといえば、例外に近い方で、まだこのほかに眼に見えない脳髄の故障が演出する怪奇現象の種類が、ドレくらいあるかわからない。いわゆるエロ、グロ、ノンセンスのモノスゴイところを取交ぜて科学文明の屋根裏から地下室アタマ文化の電車通りから横露地に到るまで、昼夜不断にウヨウヨヒョロヒョロと、さまよい廻っているのだ。のみならず、その怪奇現象ソレ自身の一つ一つがまた、ソックリそのままに、聴診器にも入らず、レントゲンにも感じないデリケートな脳髄の故障を、一つ一つにハッキリと証拠立てているから面白いではないか。 私は開業当時から、誰もするように仕事の時間割をきめていた。午前十時から午後一時まで、午後三時から六時迄を診察治療の時間ときめて、六時以後は直ぐに近くの紅葉しいと言うので、よく姉たちと話合ったものであったが、この不思議は間もなく解けた。それは実に姫草ユリ子一人の働きである事が、よく注意しているうちに判明して来た。